ヒノデノサケビ

70’sの映画や音楽を中心に

豚肉の焼き鳥で「赤ちょうちん」を思う

鳥電感

先日、日テレの「秘密のケンミンSHOW極」で埼玉県東松山市では、やきとりは鶏肉ではなく豚肉が常識という話をしていましたが、これを聞いて映画「赤ちょうちん」(1974年3月公開)を思い出しました。

同棲を始めた政行(高岡健二)と幸枝(秋吉久美子)、政行がお土産に焼き鳥を持って帰るのですが、幸枝は鳥電感というアレルギーの一種で怯えて食べない。「焼き鳥って言ったってこれ豚肉だぜ」と言いながら政行は一人で豚の焼き鳥を食べる。というシーンがあります。

実は私、学生時代を北海道室蘭市で過ごしたのですが、室蘭でも焼き鳥は豚肉が普通だったので、映画の中で「焼き鳥たって豚肉だぜ」というセリフをごく自然に「そうだよなあ」と受け止めていました。

懐かしくなって、YouTubeにアップされている予告編を見ました。予告編の字幕がアツイというか、やけ気味というか面白いです。「ボクたちの辞書にない言葉はユメ・キボウ・ミライ」「藤田敏八監督がまたまたキミとボクとあいつに投げつけた白手袋」「キミは何を武器にこの挑戦に応じるのか?」…何だか良くわからないけど、シラケ世代と呼ばれた昔の青年には響くものがありました。

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シラケ世代のマドンナ~「赤ちょうちん」の秋吉久美子さん

 

修羅雪姫」から「赤ちょうちん

藤田敏八監督の作品は全部見ようと決意させた「赤い鳥逃げた?」の後に見たのは「修羅雪姫」(1973年12月)でしたが、正直いって期待していたものではありませんでした。だからこそ次に公開された「赤ちょうちん」には、前作の不満を吹き飛ばし、より一層面白く感じたのかもしれません。

70年代にリアルタイムで見ていない人にとって、同じ感情を共有しようと思っても無理なようです。「キル・ビル」を見て知ったという人が多いのでしょう映画格付サイトでは藤田敏八監督のベスト・ワンは「修羅雪姫」で「赤ちょうちんは」26作品中14位…残念です。

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ベスト1でも評価はB…サミシイ…

全26作品。藤田敏八監督が制作した映画ランキング - 映画格付