単行本「俳優 原田芳雄」を読む
原田芳雄さんの生誕80年に発売された本
原田芳雄さんが2011年に亡くなってからもう10年経ちました。「赤い鳥逃げた?」が生涯ベスト1の私にとって、憧れだった人達が過去の人となり、何の情報も発信されることが無くなることは寂しいものです。
そんな中で昨年2020年3月(原田芳雄さんの生誕80年)に発売された「俳優 原田芳雄」(キネマ旬報社)を遅ればせながら読みました。この本は、夫人の原田章代さんに映画評論家の山根貞男さんがインタビューした話を中心に構成されています。
原田芳雄と藤田敏八
この本の中で、夫人の原田章代さんもカメラマンの鈴木達夫さんも言っているように、原田芳雄さんと最も波長の合った映画監督は藤田敏八監督だそうです。このコンビの最高傑作「赤い鳥逃げた?」の話をもっと知りたかったのですが、そこは期待ほどではありませんでした。
山根貞男さんの好みもあるのか、原田芳雄さんと映画監督の関係では、鈴木清順監督との話に一章割かれており、生前の本人インタビューも鈴木清順監督に関するものでした。
「赤い鳥逃げた?」には、原田芳雄さんの子ども原田喧太さんが出ているという話は、何かで知っていたのですが、この本でも章代さんが証言しており、確認できました。
喧太くん(「赤い鳥逃げた?」撮影当時で三歳前)は「野良猫ロック/暴走集団’71」のラストシーンにも出てくる子どもで、藤田敏八監督の思い付きで、「赤い鳥逃げた?」のラストにも出そうと急遽撮影され、後ろに章代さんも足だけ映っているそうです。